ゲストとともに 2

同じコンサートで、もうおひとりと共演・・・

演奏曲は、1959年のフランス映画<黒いオルフェ>から「カーニバルの朝」です。

 

カーニバルの前日、リオ・デ・ジャネイロはいつものように満杯の乗客を乗せた市電が走っていました。

運転するのは甘い歌声とギターの名手としてモテ男の黒人青年オルフェ。

そこに乗り合わせたのは、謎の男に追われ田舎から逃げて来た娘ユリディス。

この出会いが愛と悲劇の始まりでした。

ギリシャ神話の吟遊詩人オルペウスとエウリュディケの物語をブラジルのリオに移した作品で、

ボンファ作曲の「カーニバルの朝」ほか、ボサノヴァが効果的に使われています。

 

「ボサノヴァ」はブラジル発祥の音楽ジャンルですが、その原意はポルトガル語で「ボサ:傾向、魅力」、「ノヴァ:新しい」。

1950年当時、ブラジルの首都であったリオ・デ・ジャネイロなど都会の若者達に好まれる自国の音楽がなかったため、アメリカから輸入されたジャズとブラジルの伝統音楽サンバを融合させた新感覚の音楽を創造しました。

しかし、本国での隆盛は60年代初めくらいまでで、その後は古い時代の音楽として捉えられ、アメリカに渡ってジャズ風に変容したボサノヴァ風のスタイルには拒否反応があるようです。

日本を含め他国では洒落た音楽として定着しているボサノヴァ…

不思議な現象ですね。

 

今回はクラリネットの松本裕三子さんとのメロウなサウンドをお聴き下さい。