私のコンサートでは、ソロは勿論、ゲストを迎えてのデュオやトリオ、アンサンブルをお届けすることもあります。
演奏面での多様性、ステージの華やかさ、プログラム構成面での効果・・・
本番だけでなく、選曲や事前の練習、リハーサルなどを通して、私自身の刺激と学びとモチベーションアップになっています。
まず、フルート/下橋紋子さんとの共演から「ムーラン・ルージュの歌」
「ムーラン・ルージュ」それはパリ・モンマルトルにある「赤い風車」iという名のキャバレー。
毎夜、華やかな歌やダンス、フレンチカンカンなどが繰り広げられ、人々を魅了してきました。
そこに通い詰めた一人の男・・・画家のロートレック。
店のポスターを書いた彼のモデルはダンサーなど、目の前にいる女性たちでした。
彼は幼い時の足の障害のため、身長が伸びず、差別を受けてきたためか、踊り子や娼婦といった夜の世界に生きる女性の心の痛みを理解し、愛情に満ちたまなざしで彼女たちを描いていたのかも知れません。
しかし、酒びたりだったロートレックはわずか36歳で亡くなってしまいます。
そんな彼の生涯を元に、1952年にイギリス映画 Moulin Rougeが制作され、その主題曲をオーリックが担当しました。
店は世界大戦中も営業、その後シナトラやプレスリーも活躍し、屋根に据えられた大きな赤い風車は健在で、現在も世界屈指のナイトスポットとして君臨!ただ、世界各地でのロックダウンで、パリもしかり、今しばらくは閉業を余議なくされています。
大きくも小さくも移ろう世の中に、様々な知恵と力を尽くして命を繋いできた人間。
立場によって静かに待つだけしか無い場合もあるのでしょうが、そのひとときにでも音楽が安らぎや和みになれば・・・と思います。