あれは高校生の時でした。
ものすごい衝撃で、体に電光が走ったようで…
と言ってもリアルではありません!
期待はずれでしたか?(笑)
高校時代に聴いたショパンの「24のプレリュード集 op.28」
マルタ・アルゲリッチのリサイタル日本公演の模様がNHKで放映されていて、たまたま視聴したのですが、演奏が進むうちに引き込まれ、やがて痺れまくって24曲目にはノックアウト。(終わりに最も低い音域のレの音が最強音で荘重な鐘のように3回打ち鳴らされます)
個性の塊!魅力的な女性アーティストの表現力に圧倒されました。
当時は長い黒髪に豹のような運動神経抜群の肢体、憂いを秘めた瞳…ビジュアルも美しく…
思わず吉田秀和氏(音楽評論家の重鎮)がパーソナリティーを務めるクラシック番組(NHKのFM放送だったと思います)のリクエストコーナーに[アルゲリッチのプレリュード!]と書いて送り、ラッキーにも採用されました。
リクエストハガキを出すなんて最初で最後で、いきなり全国放送に氏名まで読まれたので、本当に驚きました。
その後、レコードを購入し、来日時にはリサイタルにも出かけ、フェスティヴァルホールでは握手までしてもらって有頂天でした。(笑)
さて、「24のプレリュード集 op.28」ですが、ショパンは尊敬するバッハのように24の全ての調性からなる壮大なプレリュードを構築しました。
各曲は短い作品ですが、それだけに1曲ごとにショパンの異なる楽想が凝縮されています。
最も有名なのは15番 変ニ長調…「雨だれ」と呼ばれ親しまれていますね。
私もコンサートで何度かチャレンジしています。
今回は最後の4曲を2曲づつ、違う年代の演奏でお聴き下さい。
21番(変ロ長調)は夢と幻想に包まれたノクターン風。
22番(ト短調)は打って変って一気に情熱が疾走する激しい1曲です。
23番(ヘ長調)は澄んだ川のせせらぎと陽に照らされた煌めきのよう…。
24番(ニ短調)は母国愛に満ちたショパンが革命への熱い想いと陥落の絶望を曲にぶつけたような激しさを感じます。