171年前の今日

今から171年前、1849年10月17日、パリで39歳の生涯を閉じたショパン。

今日は命日によせて1曲演奏いたしました。

20歳で祖国ポーランドを離れ、帰ることのなかったショパンは自分の心臓は祖国に・・・と希望し、姉ルドヴィカはロシア帝国支配下のもと、密かに自宅に安置しました。

そして死後30年経って、かつてショパン一家が通った聖十字架教会に安置され、命日には追悼コンサートが今も行われています。

 

さて、今日演奏したのは22歳の頃に作曲された「エチュード」から“別れの曲”です。

エチュード=練習曲と訳されるように、演奏技術を磨くために作られた作品。

例えば、音階、和音や重音、オクターブ、分散和音、トレモロ、同音連打、様々な装飾音、跳躍、交差…等々。

それらを駆使しながら、音楽的に高度な芸術作品として完成させたのが、ショパンやリスト、ドビュッシー、ラフマニノフと言った作曲家たち。

このop.10の第3曲目、〝別れの曲″は美しいメロディーを如何に滑らかに抒情的に歌うように奏でるかが要です。

そして両手共に内蔵されてる内声部の伴奏と支えとなるバスの進行とバランスも大切。

また、中間部、両手に現れる重音の連続が曲のドラマ性を高めています。

 

ところで〝別れの曲″という題名はショパンが名付けたのではありません。

ショパンの伝記映画が制作された時、1934年のドイツ映画では「別れのワルツ」、 フランス映画では「別れの歌」、1935 年のの際には日本公開「別れの曲」と映画名であったため、そのメインテーマ曲であったこの作品も“別れの曲”と呼ばれるようになったそうです。

 

去年は日本ポーランドの国交樹立100年、そして今年はショパン生誕から210年と時を経ても尚、美しい音楽で魅了してくれるショパン。

私たちにとって本当に素晴しいプレゼントですね!

私にとって弾くことも喜びであり、聴いていただくことが幸せであり、またショパンを練習している生徒さんもありますので、どんどん磨かれて行く様子を間近に感じる事ができることも楽しみです。