このところ順調に練習が進んでいる小学生わんぱく男子。
片道60分の時間をかけての私立校通学に加え、塾などにも忙しく、なかなかピアノにじっくり向き合えないようですが、その中でも練習する習慣をつかみかけています。
慌てて間に合わそうとすると、音型を把握せず拾い読みで、たどたどしい音の羅列。
必要な動きはできず、不要なアクションでミスだらけになって、焦ってしまい悪循環です。
メロディーの流れにしても、伴奏型の進行にしても、指のポジションを自然に準備できるように楽譜を目で追い、音楽が頭の中で鳴るようにコツを掴むと随分違います!
曲の構成、形式は勿論、テクニック上の難易度も考慮して楽譜に練習番号をつけ、部分を効率良くさらうことを皆さんに指導しています。
また、様々な伴奏型も元の和声をつかみ、ポジション移動をスムーズに行うことも基本ですね!
メカニックな練習の中に曲の表情を感じ、表現する楽しみも味わえるようなヒントも提示するともっと弾きたくなりますし!
と言う訳で今日の課題は合格し、新たにモーツァルトの小品を宿題の1つにしました。
そこで他のモーツァルトの作品…
トルコ行進曲や40番のシンフォニー、アイネ・クライネ・ナハト・ムジークなどのテーマを弾いたり、魔笛やフィガロの結婚のアリアなどを歌って紹介したところ、「あ、知ってる!」「それは学校でこの前、聴きました!」「これは初めて…」と興味深く反応していました。
また、モーツァルトの数々のエピソード…
その神童ぶりや天真爛漫、天衣無縫な様子を話したところ、「習ってないのにピアノが弾けた?!」「聴いただけでそんないっぱいの音が楽譜に書けた?!」「王女にそんなこと言ったんだ!」と逐一コメントがありました。(笑)
すると「先生、僕、この前ピアノを自分で勝手にいろいろ弾いていたら、曲ができました!」と言うのです。
思わず「え!?スゴイね!弾いてみて!」と促すと…和声も旋律も楽しい作品を聴かせてくれました。
黒鍵を上手く組み合わせて弾いていましたが、それを発見するだけでも嬉しくなりました。
丁度モーツァルトの幼い時からの天才肌を話題にしたので、「僕もだって!」と名乗りをあげてくれたのかもしれません。
帰り際には「帰ったら、学校の宿題をさっさと終わらせて、あとでお父さんと夜釣りに行くんです!」と上機嫌で話していました。
少しずつでも達成感があると笑顔になれるんだなぁと再認識した次第です。