無くてはならない

漣面と繋がる音楽史の中でも、特にピアノ界でショパンは、その存在無しに考えられない音楽家だと思います。

ショパンより40歳ほど年長で古典派に分類されるベートーヴェンも無論同様で32曲のピアノソナタや5曲のピアノ協奏曲など傑作揃いです。

それなのに、何故ショパンを挙げるかと言いますと…

大きな違いはベートーヴェンは9曲の交響曲(3番“英雄”、5番“運命”、6番“田園”、9番“合唱”などが殊に有名ですね!)をはじめとするオーケストラ作品や、ピアノを伴わない器楽曲、室内楽曲(弦楽四重奏など)、オペラ、ミサ曲など編成が多岐に渡っているのに対し、ショパンは全ての作品がピアノのため、或いはピアノを伴う編成の楽曲なのです。

 

具体的には230余りの作品を編成別にまとめますと…

・ピアノとオーケストラのための作品(ピアノ協奏曲など):6曲

・ピアノを伴う室内楽曲(ピアノ三重奏曲、チェロとピアノのソナタなど):6曲

・歌曲(ピアノ伴奏):20曲

・ピアノ独奏曲:約200曲

 

このようにピアノのために生きた作曲家・ショパン。

ベートーヴェンより以前の作曲家たちは教会や宮廷との雇用関係にありましたが、自由な立場で自由な音楽活動を行いました。新たなピアノ演奏メカニズム、テクニックを編み出して作曲技法に取り入れ、またピアノを声楽のように歌わせる演奏法を追求したピアニスト・ショパン。

フランス人の父とポーランド人の母のもと、ポーランドに生まれ、20歳の頃にフランスに渡ってからも他国におびやかされ続ける母国を憂い、革命に期待し、その失敗に嘆きながらも祖国愛をもってピアノ曲を書き続け、弾き続けたショパン。

ピアノが全て!と言った生涯ではないでしょうか。

 

ショパンの作品を演奏したコンサートからいくつかYouTubeにアップしていますので、是非ご視聴を!

各曲の解説はそれぞれの動画の概要欄をご覧ください。