YouTubeには色々なジャンルの曲をUPしている、今回ご紹介するのはナポリとアイルランドの民謡をピアノソロにアレンジした2曲です。
器楽曲のメロディーの際も勿論のこと、オリジナルが歌、声楽曲ですとより一層歌心が溢れてきます。
歌の場合、詩の内容や発音のイントネーションによって説得力が高まり、また、長く伸ばす音をクレシェンド(増幅)、ディミヌエンド(減衰)することによって音楽表現に豊かさが増すのですが、ピアノではそれらが無い分、工夫が必要です。
ニュアンスを加えたり、ハーモニーを工夫したり、オブリガートやパッセージなどでピアニスティックに仕上げたり・・・とピアノならではの世界を創造できるようアレンジしています。
では、次の2曲をごゆっくりお楽しみください。
「帰れソレントへ」
兄が詩を弟が曲を担当したデ・クルティス兄弟は多くのナポリ民謡を生み出しました。
イタリア南部に位置する美しい海と自然を湛えたソレント半島。
街と恋を捨てて出て行く彼女への嘆きを情熱的に歌い上げるカンツォーネの名曲です。
1890年代半ばまでに作られていたとする説やイタリア首相がソレント来訪時に合わせ依頼されたとする説など定かではありませんが、正式発表は1905年のようです。
「ロンドンデリーの歌」
アイルランドの代表的な民謡で日本でも古くから親しまれている「ロンドンデリーの歌」ですが、作曲者は不詳です。
1894年出版のアイルランド歌集に初めて収められおり、ロンドンデリー州で収集、採譜した曲とされています。
しかし、実はアイルランド北西部の他の州でもほぼ同じメロディーが歌われていたようで、1796年に出版されたアイルランド伝統音楽の楽譜集には「若者の夢」と言う曲名で掲載されているとか・・・
そして1913年に法律家で作詞家の英国人ウェザリーがこの曲に新たに詩を付け「ダニー・ボーイ」として出版し、世界的に広まりました。
尚、数種ある日本語歌詞はそれらの訳詞で無く、全く異なる世界観をもって歌われています。
温かさや郷愁、心を揺さぶるメロディーは時を経ても愛され、息づいています。