久しぶり!

8月、9月とリアルなコンサートに出演した関係でYouTubeの演奏動画UPがこの間お休みしていました。

久しぶりに再開し、フランス近代の作曲家ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」を演奏、投稿。

早速、温かいコメントが寄せられ、嬉しい限りです!

 

この曲はラヴェルがパリ音楽院在学中の24歳(1899年)の作品で、ルーヴル美術館を訪れた時、17世紀スペインの宮廷画家ベラスケスが描いた当時の幼いスペイン王女マルガリータの肖像画からインスピレーションを得て作曲しました。

タイトルからは「亡くなった王女」を想起しがりですが、その葬送の哀歌ではなく、「昔スペインの宮廷で小さな王女が踊ったようなパヴァーヌ」と言うイメージです。

尚、パヴァーヌとは、緩やかなテンポのヨーロッパ宮廷舞曲で、何とも典雅。

繊細なメロディーと陰影に富んで移ろうハーモニー、いにしえの物語を紐解いていくような展開に魅力を感じます。

 

スペイン王女の肖像からの作曲・・・

ラヴェルはフランス南西部のスペインにほど近いバスク地方で生まれたこと、母親がスペインであったことも何かの影響があったのかも知れません。

この曲にスペイン風なものは感じませんが、管弦楽曲でピアノ連弾版もある「スペイン狂詩曲」やピアノ曲集「鏡」の“道化師の朝の歌”、オペラ「スペインの時」などに見られる鮮やかな色彩感とスペイン情緒やリズムには正にその血潮を感じることができます。

 

それではバロック期の宮廷を懐古し、しっとりとお楽しみください。