コンクール

音楽ファンや専門家の間では今、ポーランド・ワルシャワで開催されているショパンコンクールの模様に連日湧いていますね!

 

生の音と配信された音では違いがあるのは当然ですが、それでも音楽性、個性、表現力を余すことなく発揮するハイレベルな演奏に胸を打たれます。

皆様の心を震わせたコンテスタントはありましたでしょうか?

1次、2次、3次予選を経て、いよいよファイナル!

12名選出され、日本人ピアニストも2名。

オーケストラとのピアノコンチェルトの協演ですね!

 

昨日10月17日はショパンの命日。

1849年に亡くなりましたが、毎年この日にはショパンの心臓が安置されている聖十字架教会で記念コンサートが開催されています。

プログラムはショパン自ら葬儀での演奏を望んだモーツァルトの「レクイエム」(死者のためのミサ曲)。

ポーランドの誇りであるショパン・・・偉大な芸術家のメモリアルコンサートだけあって毎年本当に沢山の来場者があるとのこと。

 

さて、私は・・・

その17日、日本クラシック音楽コンクール・ピアノ部門・兵庫県本選の審査を務めさせていただき、多くの素敵な演奏に出逢うことができました。

このコンクールにおいて、昨年までは高校生、大学生、一般の各部の審査のご依頼が続きましたが、今回は幼児、小学生、中学生の各部門を担当。

こども達の演奏に期待を寄せながら会場のうはらホールに向かいました。

地区予選を経て、本選に臨み、ここで全国大会を目指す出場者たち・・・

彼ら彼女らの心境を思うと、「日頃の成果が発揮できるよう、落ち着いて演奏してね!」とエールを送りたくなります。

小学生の年代までだと、親御さんの期待や不安まで伝わってきそうで、尚一層です。

 

しかし、演奏が始まったら温かくも公正でシビアなジャッジを!

審査用紙には一人一人に評価点と共に、講評を記入するシステムです。

年齢的にも指導者の影響も大きいでしょうが、培われた技術をもって表現する「音楽」はコンテスタントの個性やカラーが良くも悪しくも鮮やかに出ています。

 

・頑張っているけれど、惜しいなぁ。

・その弾き方だと危なっかしい・・・あっ。

・音色の美しさや多彩さにうっとり!

・見事な構成力に感服!

・何と愉しい音楽なんだろう!いいなぁ音楽って!

・もっともっと聴きたいと思わせる演奏だなぁ・・・素晴らしい!

等々と想いを巡らせながら、もう少し専門性のある文章を審査用紙に綴っております。

 

審査方法は複数の審査員がジャッジしたものを合議なく、事務方に提出し、最高点と最低点を除いた平均を得点にして合格者が決定されます。

決定後に各審査員の点数が公表されるのですが、審査員控室で他の先生方とお話する中で納得したことがありました。

それは「高評価をつける視点や基準は様々だし、合否の瀬戸際を悩むこともある。しかし、明らかに不合格とせざるを得ない演奏は一致していた。審査の多様性と公正性を両立できたのではないか・・・」ということです。

人が懸命に努め育んできたものを評価する時は、己の審美眼や洞察力が問われる時でもあることを再認識できる素晴らしい機会でもありました。

 

コンテスタントの皆様、お疲れ様でした!

全国大会に出場の方々、健闘をお祈りします!

残念なことに進めなかった方々、この機会が生かせれますように!