私自身が練習する時も、生徒さんのレッスンの際にも必要に応じて、幾つかの楽譜を比較します。
例えばショパンの作品・・・
沢山のが楽譜が出版され、楽譜店は勿論、書店やネットでも楽に入手できますね!
とても嬉しい反面、同じ曲でもどの版を使用したら良いのか悩みどころでもありますね。
例えば、ショパンの作品。
その天賦の才をピアノのために開花させた音楽家であり、世界中で人気も高く、本当に沢山の楽譜が存在します。
それ故、中には怪しげなものもあるので、原典版が頼りになります。
原典版と言っても・・・
・ウィーン原典版
・ヘンレ原典版
・ペータース原典版
・ベーレンライター原典版
等々あります。
そしてそれらは、ショパンの自筆譜、初版、歴史的な資料などを基に研究されたもので、またその上に著名な音楽家や学者が校訂しています。
更に研究が進められ、同じ出版社でもリニューアルした新版が出てきました。
幾つかの原典版を比較するもの有意義で楽しいです!
他に、パデレフスキ版やコルトー版と言った偉大なピアニストによる版は独自の存在感を持っています。
そして、注目を集めているのがポーランド音楽出版のショパン全集です。
ポーランドの国家プロジェクトとして半世紀かけ・・・即ち、ショパン生誕150年=1960年にスタートし、生誕200年=2010年に全7巻が完成!
実に感慨深いですね!
このナショナル・エディションの編集責任者はヤン・エキエル氏。
ショパン国際コンクールの審査委員長も務めたポーランドのピアニスト、教育者、研究者で、「エキエル版」と呼ばれ、2005年よりショパン国際コンクールの推奨楽譜としても採用されています。
しかも、これまでポーランド語版か英語版の輸入楽譜のみでしたが、昨年より日本の全音楽譜出版社から少しずつ日本語翻訳版が刊行開始!
(現在、ワルツ集、バラード集、スケルツォ集、ノクターン集の4巻)
研究の宝庫を私も手に入れ、活用しています。
全音の解説を一部引用しますと・・・
ショパンの自筆譜から弟子の楽譜に書き込まれたメモまで、あらゆる資料を精査・比較・検討して編纂した原典版。
ピアニスト/研究者である加藤一郎監修のもと、ナショナル・エディションの特色である「演奏に関する解説」「原資料に関する解説」からなる詳細な研究成果を、ピアノ&ポーランド語のスペシャリストたちがポーランド語版の最新版から日本語へ翻訳したのが[日本語版]です。
素晴らしい楽譜たちを眼前に触発され、これらの貴重な譜面を深く読み取り、音色を磨き、多彩な表現力と豊かな音楽性を目指して演奏、指導していきたい!と改めて決心する次第です。
スケルツォ集の楽譜を幾つか取り出して・・・読譜開始!音にするのが待ち遠しい~
それぞれの楽譜の共通点や相違点、特徴を見出すのが何とも刺激的!